ペンタクルの6

ペンタクルの6は、持つ人と必要とする人のあいだを行き来する助けのカードです。公平に与え、ありがたく受け取りつつ、その助けに条件がついていないか確かめるよう促します。

アルカナ
小アルカナ
スート
ペンタクル(金貨)
エレメント
土
  • 分かち合い
  • 与えることと受け取ること
  • 公平な均衡
  • 気前のよさ
  • 条件つきの援助
  • 力の偏り
ペンタクルの6のタロットカード — 伝統的なタロット
伝統的なタロット

カードに描かれた象徴

このカードの人物は、立っている高さがそれぞれ違います。まずそこから読み取ってください。伝統的なライダー・ウェイト・スミス版のカードでは、上等な外套をまとった裕福な商人が中央にまっすぐ立っています。その両側には、質素で擦り切れた服を着た二人がひざまずいています。商人は片手で下に差し出された手のひらへ金貨を落とし、もう一方の手には水平に釣り合った天秤を持っています。人々の頭上には六枚のペンタクルが浮かび、背景には町がそびえています。絵の要点は三つです。与える人、受け取る人、そして釣り合いです。

カードの中心は天秤です。商人が気まぐれではなく、きちんと量って与えていること、つまり自分が手放せるものと相手に必要なものを比べていることを示しています。だからこれは公正さのカードであり、大アルカナの正義のカードとは近い親戚のような関係です。ただ、ひざまずく二人のうち、今まさに受け取っているのは一人だけだという点に注目してください。もう一人は手を上げたまま待っていて、カードは、商人が誰に何を渡すのかをどう決めているのかを静かに問いかけています。

宙に浮かぶ金貨は、一人の手に留まらず動いていく資源を表しています。今日は商人が与えていても、明日は商人のほうが手を借りる側になるかもしれません。ひざまずく二人より高く立つ彼の姿は、施しが、一方は見下ろし他方は見上げるという序列を生むこともあると気づかせます。このカードは、与えることと受け取ることのあいだ、気前のよさと尊厳の釣り合いを保たなければならない場所に置かれています。

韓国と日本の視点で見るこのカード

日本の文化で見ると

日本の贈答文化にも、商人の天秤によく似たものさしがあります。お返しは、しばしば「半返し」という習わしに従います。香典や結婚のお祝いを受け取ったら、おおよそ半分の額の品で応え、どちらも相手に借りを作りすぎないようにするのです。夏のお中元、年の瀬のお歳暮といった季節の贈り物は、お世話になった人へ感謝を流し続けます。この循環がなぜ大切かは、よく知られたことわざが教えてくれます。「情けは人の為ならず」は、今ではしばしば誤解されますが、本来は、情けをかけるのは相手のためだけではなく、いずれ自分に返ってくるという意味です。

韓国の文化で見ると

韓国の村の暮らしには、このカードのやり取りを表す言葉がありました。隣近所で労働力を貸し借りし、今週はこの家の田に、来週はあの家の田に苗を植えて、助けがいつも巡って戻ってくるようにした「プマシ」です。量って施した例としてもっとも広く語り継がれているのが、済州島(チェジュド)の女性商人、金萬徳(キム・マンドク)です。1790年代に済州島が飢饉に見舞われると、萬徳は商いで築いた財産の多くを投じて本土から米を買い入れ、飢えた島の人々に食べさせました。正祖(チョンジョ)王が望む褒美を尋ねると、萬徳は都と金剛山(クムガンサン)を見物したいと願い出ました。当時の済州の女性には許されていなかった旅です。商人の天秤のように、萬徳の富も必要なところへ量って分けられたのです。

正位置

ペンタクルの6が出たとき、助けは人の手から手へと渡っていきます。お金や時間、助言、チャンスが、余裕のある人から必要としている人へと移り、あなたはそのどちらの側にもなり得ます。与えたものが巡り巡って戻ってきて、公平に分けることで恨みではなく信頼が育つカードです。

あなたの昇給のために掛け合ってくれる上司、引っ越しができるよう敷金を援助してくれる家族、奨学金や助成金、借りたお金を早めに返したうえにお礼の食事までごちそうしてくれる友人、かつて誰かがあなたを導いてくれたように、今度はあなたが新人の面倒を見る姿。どれもこのカードに当てはまります。働いた分の給料や住まいの家賃のように、日常の受け渡しも含まれます。このカードの理想は均衡です。自分の範囲内で与え、恥ずかしがらずに受け取り、条件をはっきりさせて、誰も買われたとも借りができたとも感じないようにすることです。助けがそんなふうに流れると、あらゆる関係が強くなり、よいことは思いがけない方向から返ってくるものです。

逆位置

逆位置のペンタクルの6は、与えることと受け取ることの釣り合いが崩れたことを意味します。条件つきの援助、あるいは財布を握る側へ力がじわじわと移っていく状況です。天秤はもう水平ではありません。

結婚式の費用を出したうえで招待客まで決めようとする親、お金を貸して会うたびにその話を持ち出す友人、当然の昇給を忠誠で返すべき個人的な恩のように扱う上司などがこれに当たります。あなたのほうが身の丈以上に与えている場合もあります。一度も返してくれない相手にまた貸したり、相手がずっとあなたに頼り続けるような形で助けたりすることです。ときには、代償が大きすぎると知りながら援助を受け入れてしまう人を指すこともあります。与える前、受け取る前に、見返りとして何を期待されているのかをはっきり尋ね、その答えが自分に受け入れられるものか確かめましょう。

恋愛

正位置

ペンタクルの6が恋愛のリーディングに出ると、さまざまな形の思いやりが双方向に流れます。カップルなら、あなたが眠れるように夜通し赤ちゃんをみてくれる恋人、あなたが勉強を終えるまで生活費を引き受けてくれる恋人、つらい一日の終わりにじっくり耳を傾けてくれる恋人の姿です。このカードは、時間がたつなかで釣り合いがとれているかどうかも問いかけます。二人とも、与えることも受け取ることもしていますか。季節ごとに支えがこちらへあちらへと行き来する関係こそ、ペンタクルの6のいちばんよい姿です。

シングルなら、ボランティアや誰かを手伝う場で、親切で気前のよい人に出会うかもしれません。あるいは、待っているあいだは友人たちの世話を素直に受け取りなさいという意味の場合もあります。このカードは、二人がどちらも同じように大切にされる出会いを喜びます。夕食代を払うことが取引ではなく気持ちの表れで、どちらも損得を勘定していない関係です。

逆位置

逆位置のペンタクルの6がいちばんよく描くのは、傾いた関係です。収入の多いほうがそれを盾にしてすべてを決めてしまう、あるいはプレゼントのたびに「だからあなたは私に借りがある」という無言のメッセージがついてくる、といった状態です。一方がいつも助ける側、もう一方がいつも救われる側だと、最初は優しさに感じられても、やがて息苦しくなります。単に疲れ果てている場合もあります。何か月も関心と忍耐とお金を注いできたのに、返ってきたものがほとんどないというケースです。その偏りを、やさしく、具体的に話してみましょう。恋愛は、一人が立ち、一人がひざまずく形ではなく、二人とも立っていてこそ成り立ちます。

仕事

正位置

仕事におけるペンタクルの6の主なテーマは、公正な報酬と支援です。昇給、ボーナス、助成事業への採択、扉を開いてくれる後援者などが訪れるかもしれません。助ける側に回ることも、このカードと相性がよいものです。後輩を指導する、手柄を分け合う、誰かをよいポジションに推薦するといったことです。給与の交渉を控えているなら、公正な金額を落ち着いてはっきり求めましょう。気前のよい会社や取引先は確かに存在し、このカードは今あなたがそうした相手と向き合っているのかもしれないと告げています。

逆位置

仕事で逆位置のペンタクルの6が出たら、手当のない残業、遅れたり一部しか支払われなかったりする報酬、義務に変わっていく厚意に気をつけましょう。助言の見返りに忠誠を求める先輩や、担当外の仕事をさせながら昇進をちらつかせる上司がいるかもしれません。約束は書面に残し、自分が何を差し出しているのかを明確にして、その助けが実はてこのように使われていないかを見極めてください。

金運

正位置

ペンタクルの6のもとでは、お金は双方向に流れます。援助を受ける、あきらめていた貸したお金が返ってくる、あるいは逆に誰かを助ける余裕ができる、といったことが起こりそうです。本当に手放せる範囲から与えましょう。友人や家族にお金を貸すときは、そのままあげても惜しくない額だけにするのが賢明です。心を寄せる活動に毎月少額を寄付するような継続的な分かち合いもこのカードに合いますし、人の働きに遅れず対価を支払うことも同じです。

逆位置

逆位置のペンタクルの6は、どちらかに偏ったお金の問題を指します。友人同士の借金が友情をこじらせる、誰かの機嫌をとるために身の丈以上に使う、金銭的な援助のせいで相手があなたの選択を左右するようになる、といった状況です。貸し続けているのがあなたなら、もうやめてかまいません。受け取る側なら、あとからではなく今のうちに条件を確かめ、一緒に書面に残しておきましょう。

相手の気持ち

この人は、あなたの面倒を見たいと思っています。代わりに支払う、壊れたものを直す、無事に家に着いたか確かめる、頼まれる前に手を差し伸べる、といった形で、具体的な気前のよさを示すでしょう。とくに以前あなたがこの人の苦しい時期を支えたことがあるなら、感謝の気持ちも混じっているかもしれません。ペンタクルの6を相手の気持ちとして読むときは、二人が天秤のどこに立っているかを見るとヒントになります。いつも相手が与えてあなたが受け取る、あるいはその逆なら、気持ちの中に義務感や力関係の意識が混じっている可能性があります。逆位置なら、愛情に期待がついて回っているか、受け取った以上に与えてきたと感じているのかもしれません。

コンディションと休息

気力もまた一つの資源で、このカードはそれをどれだけ均等に分けているかを問いかけます。正位置なら、忙しい週に友人が夕食を作ってくれる、同僚がシフトを代わってくれて休める、というように、助けを受け入れるほうを勧めます。逆位置なら、周りの全員を世話しながら自分だけを後回しにして、すり減っているのかもしれません。自分の睡眠と食事と静かな時間のための気力は残しておき、人が恩を返せる機会も作ってあげてください。

イエス・ノー

イエス

やり取りの条件が公平なら、答えは「イエス」です。ペンタクルの6は、筋の通った形ではっきり伝えられた助けや支援、対価の求めを歓迎するので、昇給の相談やお金を借りる話、頼みごとは受け入れられやすいでしょう。逆位置なら答えには条件がつきます。受け入れる前に、何を負うことになるのか確かめてください。

アドバイス

条件をつけずに与え、受け取るときは目を開いて受け取りましょう。今週は、何の見返りも期待しない親切を一つしてみてください。友人のコーヒー代を払う、求人の情報を回す、一時間を差し出す、といったことです。誰かが助けを申し出てくれたら、お礼を言って簡単な質問を一つ添えましょう。「何かお返しできることはある?」条件をはっきりさせることで友情は守られます。そして、自分の暮らしの中の天秤も見てみてください。いつも商人の側、あるいはいつもひざまずく側ばかりだったなら、そろそろ釣り合いを動かしてみる時かもしれません。

よくある質問

ペンタクルの6は、誰かがお金の面で助けてくれるという意味ですか?

そうなることはよくあります。ペンタクルの6は、家族や勤め先、助成金、借りたお金を返してくれる友人などを通して支援が届く、代表的なサインです。誰がいつ助けてくれるかまでは教えてくれません。ただ、必要なものを正直に伝えるよう勧めています。このカードでは、助けははっきり求め、ありがたく受け取る人のもとへ流れていくからです。

ペンタクルの6はイエスですか、ノーですか?

おおむね「イエス」です。正位置なら公平な頼みごとや気前のよいやり取りを後押しするので、助けを得ること、対価を受け取ること、頼みを聞いてもらうことについての問いは前向きに傾きます。条件は釣り合いです。取引が一方に偏っていたり、援助に隠れた条件がついていたりするなら、逆位置のカードは答えを「条件が合うときだけ」に変えます。

ペンタクルの6は恋愛でどんな意味になりますか?

恋人同士の思いやりと与え合い、互いに代わる代わる相手を支える関係を表します。同時に、その釣り合いが本当に保たれているかも問いかけます。健全な関係では、与える役と受け取る役は時間とともに入れ替わるものです。一方がいつも与え、それに伴う力まで握っているなら、不満がたまる前にそのことを話し合うよう、このカードは告げています。